久留米加硫
ヴァルカナイズ製法
別名、加硫製法。
1839年、アメリカのチャールズ・グッドイヤーにより発見された、
生ゴムに硫黄を加え、熱反応させることで弾力限界の大きなゴムに変化させる化学反応を利用した製法。
01 素材・部品
「靴」には、それに適した耐久性を求められる材料・部品が必要である。 適切な配合で練られた生ゴム、裏地をゴム糊で張り合わせた表生地、キャンバスを挟み込んで強度を持たせたゴムテープ、ひとつひとつの部品を丁寧に作り上げている。
02 縫製
刃型で型抜きされた平面的なパーツを、職人の熟練された手仕事で足の形に沿わせて立体的に縫う。
03 成型
アッパーを足型のラストに沿わせて吊り込み、底を付け、その周りにゴムテープを巻く。テープの太さや位置を調整しながら、絶妙な力加減で巻いていくこの工程は、機械では決して成し得ない手作業ならではのもの。粘土のように柔軟な「生ゴム」は、足の形に沿って無理なく馴じみ、しなやかなソールを生み出す。しっかりと密着し耐久性を出すためにアッパーとソールの接着部分にも同様にゴム糊を使っている。
04 加硫
加硫缶と呼ばれる"窯"に入れ120℃で70分間、熱と圧力を加える工程を「加硫=ヴァルカナイズ」と言う。加硫をすることで、生ゴムの中に配合した硫黄が化学反応を起こし、粘土のような生ゴムの状態から、"力を加えても、元のカタチに戻る"というゴム固有の性質を得る。
児島帆布
柴田織物有限会社
1948年 |
戦後まもなく、3機の力織機から始まる |
1950年代 |
晒・白物を中心に生産を増やす |
1960年代 |
既存の織機を一掃し、豊田製の力織機を12機導入 |
1970年代 |
60年代半ばよりアメリカからの発注で日本製デニムが生産されるようになる中、需要により白物からデニムへの変更を 余儀なくされる |
1980年代 |
大量生産の時代に突入。大手の生産体制に疑問を感じ、80年代中期にはデニムの生産を止め、創業当時の生成り・白物の帆布の生産を再開する |
1990年代 |
バブルが崩壊し生産量が減少する中、あえて差別化にこだわった製品を作ることを目指し、撚糸機と整形機を導入 |
2010年代 |
生成り・白物の帆布の生産再開から30年。12機フル稼働する力織機TOYODA GL9は3代目を数える。現在、児島において帆布のみで稼働している数少ない機屋である |
01 撚糸機
紡績から届いた原糸を、2本~4本まで撚りあげることができる機械。
自社で帆布の規格号数に応じた太さの糸をつくることができるので、多様なデザインイメージに応じる事が出来、オリジナリティのある帆布を自社工場内で一括して生産する事が可能になる。
02 整形機
柴田織物の整形機は複数回の作業に分けて整形することができる部分整形機で、撚糸機で撚りあげた糸を力織機にかけるためのビーム(経糸)に巻き上げ整形をすることができる機械。
03 力織機
1960年代から導入した豊田製の力織機は、現在のTOYODA GL9で3代目となる。
部品取りのパーツやワンオフのパーツに改良を重ね今では柴田オリジナルの力織機に仕上がっている。
04 PRAS1020オリジナル帆布
帆布とは、双糸以上の原糸を経糸と緯糸に使用した平織りの生地で、原糸の太さと経緯の糸の密度により号数が設定されている。
PRASのオリジナル帆布は、経糸10番双糸 緯糸10番双糸のムラのあるネップ糸を使用し、スニーカーのアッパーに用いることを計算し通常の10号帆布(12.6oz)より経緯の糸の密度を少し落として12ozにしている。